実は身近?3,000人の町視点でみるG7札幌
首脳級と言われると一気に関係なく感じてしまう会合、G7。下川町目線で身近な内容をピックアップ!
こんにちは、下川町の清水です。山菜の芽吹きの季節になり、自然の恵みに感謝しながら山からのお裾分けをいただいています。
先月号は、2月20日に行われたSDGs評議委員会での議論をお届けしました。
今月は、4月15日・16日に開催されたG7気候・エネルギー・環境大臣会合をみていきましょう。
※この記事は下川町の広報5月号「ありたい姿探検記」の充実版です。
G7札幌:気候・エネルギー・環境大臣会合とは?
G7サミット(首脳会合)とは、主要7か国の首脳会議を指します。先進国が集まり、地球規模の社会課題を議論する国際会議です。
2023年のG7は日本が主催し、5月19日~21日に広島で開催されます。広島サミットの議論に向けて、それぞれの議題でG7の意識のすり合わせや方向性の確認が必要となります。
そこで、G7広島サミットの前段として、関係閣僚会合が4月15日から始まっています。
日本各地で平和、農業、教育などテーマ別に議論される中、札幌はトップバッターの4月15日・16日に気候・エネルギー・環境大臣会合の開催地に選ばれました。
近年増加している気候変動、エネルギー危機を踏まえ、サミット全体の議論の基礎となる重要な会合です。
会合の焦点は?
テーマは大きく2つ、国によって意見が分かれる議題について注目が集まりました。
自動車部門の脱炭素化について
電気自動車の導入目標を定めるべきではないかと主張する欧米の意見に対して、日本はハイブリッド車の製造・所有が多いため、産業とのバランスなどをみて慎重です。
石炭火力の扱い
ヨーロッパはドイツを筆頭として石炭火力発電の廃止時期を明確に提示するよう要求しているのに対し、日本は柔軟な稼働を主張しています。
石炭火力発電を廃止するためには、クリーンエネルギー:再生可能エネルギーの普及が必要不可欠です。
CO2を排出しない火力発電のあり方について議論するほか、太陽光パネルの発電量の大幅増加を目指す方針でいます。
その他に議論された課題として、社会の経済的仕組みを大きく変革しなければならない気候変動、生物多様性、循環経済があります。
札幌プリンスホテルで開催された閣僚会議のほか、関連したイベントが札幌大通高校や札幌ドームなど、馴染みある場所で多数開かれました。
何が決まった?
16日に閉幕したG7札幌で採択された共同声明の目標をいくつか取り上げます。
2035年までに温室効果ガス60%削減
CO2排出削減の対策がない場合、化石燃料を段階的に廃止
プラスチックごみによる更なる海洋汚染などを2040年までにゼロに
下川町の視点でみるG7札幌
ここまで世界との交渉という大枠について触れてきました。しかし、この交渉は一体どのように私たちの日常とつながっているのでしょうか?
まずは都市・地方自治体について。共同声明には、都市・地方自治体がG7の目指す社会を実現するための重要な役割を担うため、行動を推進すると明記しています。
下川町の循環型森林経営・FSC森林認証などの森林づくり、SDGsへの取り組みは、近年議論が始まった30 by 30につながります。
こちらはまだまだ世界でも余白が多い分野で、企業や自治体などが主体的に動くことが求められています。
また、生態系間の連結性(食物連鎖などの命の営み・つながり)を考慮し、国立公園や自然遺産などの保護地域以外で生物多様性保全に貢献するような、植物・動物・人間にやさしいまちづくりを意識するきっかけにしたいですね。