多様な人が集まって楽しむことがSDGs~しもかわのまちおこしレジェンドはこう考える!【素敵町民紹介】
下川町の冬の風物詩アイスキャンドルを、SDGs目標11の住み続けられるまちづくりを目指す一環で生んだ町民にインタビューしました。
こんにちは、下川町の清水です。先月号までは健康増進に焦点を当て、2ヶ月連続でお届けしました。
今月から2ヶ月間はアイスキャンドルによるまちづくりに焦点を当てます。というのも、2月はアイスキャンドルの数も、つくる人も一番多いんです!
そこで、アイスキャンドルの生みの親の1人で、しもかわのまちおこしに注力してきた、私たちを見守ってくれる温かい町民にお願いし、インタビューをさせていただきました!
※こちらは下川町の広報2月号「ありたい姿探検記」の記事の充実版です。
本日の素敵町民
牧村洋さん
(まきむらひろし)
肩書き
コロンブスの卵 メンバー
コロンブスの卵とは:約40年前の下川町のまちおこしを担ってきたレジェンド集団。素敵なアイディアで下川町を盛り上げ、全国に発信していた。
牧村さんは「しもかわイズム」を現代に伝える大事なお方です。なぜなら「しもかわイズム」の空気がつくられた時代に大活躍していたのですから。
”コロンブスの卵”のメンバーとしてまちのことを本気で考え、活動していた先駆者のインタビュー、思わず気合が入りました。
なぜ、まちおこし?
当時の社会背景として、約半世紀前は鉱山の閉山や林業の不景気、さらには名寄本線の廃止も目前で、町全体が疲れ果て、ネガティブな空気が漂っていたと振り返る牧村さん。
当時旅館を経営していた牧村さんは、商店街が疲弊していることに危機感を持ち、「どうにかできないものか」と頭を抱えていたそうです。
確かに、あの頃の歴史は壮絶です。今しもかわが町として存続していることが不思議なくらい、アップダウンの激しいジェットコースターのような過去を持っています。
下川町の歴史をまるっと見て社会背景を知りたい方は年表へGO!
そんな暗い時だったからこそ、
と強く思った牧村さんは、まちおこしの起爆剤になろうと決意しました。
ここでの鍵は、まちおこしに特化したことです。というのも、まちづくりは長期的にまちの未来のことを考えます。
しかし、牧村さんたちはご自身でできることから始めるということで、まちを盛り上げるきっかけづくりである、まちおこしに着手することに。
牧村さんと志を同じくした方々が集まり、町をひとつの商品と考え、アイディアで下川町を日本中に知らしめようと発足したのが、「コロンブスの卵」です。
できることから始めようと、一番最初に形にしたアイディアは、「二つ折り名刺」の制作です。「下川町ってどこ?」と名刺交換の度に聞かれることに問題意識を持った皆さん。
また、観光農園「らくがき南瓜」の開園などを経て、少しずつ、町外にしもかわをPRする活動を行っていきました。
今でも「らくがき南瓜」は町民の間で親しまれていて、町外を喜ばせるためのものが町内でも浸透している様子が伺えます。
“しばれ”へのこだわりからアイスキャンドルへ
活動を行う中で、下川町ならではの“しばれ”という要素に強くこだわるようになりました。
冬の厳しい寒さや除雪など、あまりいいイメージのないものが浮かび上がってきますが、しもかわの冬は実はすごいんです。
一級品のパウダースノー、極寒だからの景色・・・。挙げていったらキリがないくらい特別なのが、しばれだったのです。
-30℃のしもかわの空気を入れた缶『しばれ缶詰・寒気団』から始まり、冬に来町した方にその日の気温を記入して贈呈する『寒地体験認定書』など、しばれへのこだわりはヒットばかり。
そんな中で生まれたのが「アイスキャンドル」。
始まりは北海道教育大学の伊藤隆一教授の「北の暮らし歳時記」という本からでした。
北欧の幼稚園で氷のランプシェードをバケツで作っている事例をしもかわでもやってみようと決まりました。
最初は「あまりにもシンプルだから、やらなくても良いのではないか?」という意見もあったそうです。
しかし、コロンブスの卵のメンバーは、実験的につくってみようと安原公園に30個ほどと自宅にも飾りました。
「飾ってみたら予想以上に幻想的で魅入ってしまった」と嬉しそうに振り返った牧村さん。
町民にもアイスキャンドルをつくって飾ってもらえたら、町中が輝き、町民にも喜んでもらえるかもしれないと考えました。
早速町民にも飾ってくださいとお願いをしたところ、除雪の邪魔になることやお盆を連想するなどの理由から、断られることも多かったそうです。
そんな中、転機が訪れました。安原公園のアイスキャンドルをたまたま取材で来町していたテレビ局の方に目にとめてもらえたのです。
そこから冬になると定期的に撮影に来てもらえるようになり、ついにはNHKでアイスキャンドルの様子が放映されるようになりました。
テレビにも取り上げられたことで認知度が上がり、協力者も増え、定着していったと嬉しそうに語る牧村さん。
今では下川町民にとっては無くてはならない存在で、町のIP端末やLINEではこんなお知らせも!独特ですよね。本気度が違う。
このように楽しい!きれい!という前向きな感情で始まり、アイスキャンドルはお祭りへ、北海道の冬の風物詩、アイスキャンドルフェスティバルになりました。
アイスキャンドル「ミュージアム」へ
このようにして、アイスキャンドル発祥のまち、下川町というブランディングが成功しました。
しかし、しもかわはアイスキャンドル以外にも素敵な特徴にあふれていると考えた牧村さん達。
町全体を博物館のように魅せて、下川町ならではの要素をたくさん見つけていきたいという想いから、冬まつりを命名し直しました。
これこそが、しばれに特化した「アイスキャンドルミュージアム」です。依頼、アイスキャンドルミュージアムは毎年しもかわの寒い冬を盛り上げています。
今年の開催は、
2月12日(土)
2月13日(日)
感染対策ばっちりで挑みましょう。町外の来られない方にはSNSで幻想的な様子をおすそ分けしますね!
アイスキャンドルを通して
下川町を盛り上げるために活動してきた牧村さんに、まちづくりの想いを聞きました。
と笑顔で答えられた牧村さん。
そのため、アイスキャンドルの継承は、まちおこしを次世代へと引き継ぐ方法でもあるかもしれませんね。
SDGsとは?
しもかわをまちおこしで盛り上げてきた牧村さんによると、
という明るい答えが返ってきました。
小学生や中学生、高校生の作りたいアイスキャンドルと、大人が作りたいアイスキャンドル、別の土地で生まれ育ち、下川に移住した人が作りたいキャンドル。
全部違って当たり前ですよね?
そんな異なる発想を受け入れていくことが、多様性へのはじめの一歩。
新しいSDGsの捉え方を教えてくださいました。
最後に・・・
牧村さんから皆さんにメッセージを預かりました。
今月は、アイスキャンドルによるまちおこしをテーマに牧村さんの取り組みや考え方を紹介しました。
幻想的で、想いの詰まったアイスキャンドル。しばれる中、人と人の温かさをお裾分けする下川の風物詩で、今年の冬を楽しみましょう。
後編では、牧村さんの視点をもとに、町、国、世界のまちづくりの進捗を見ていきます。
【番外編】アイスキャンドルのつくり方
さあ、ここで雪国の皆さんに朗報です!
人生で初挑戦の清水と共に、アイスキャンドルを作ってみましょう。
清水が手取り足取りならぬ、文字綴り写真撮り、補助します!
ではさっそく、やってみよう!
寒い日、北海道弁でいう、しばれる日に、バケツに水をはります。
大体7割くらいじゃないと水が膨張するので注意!外に放置
様子を見てみて、良さそうだったらバケツの側面を少し温める
風除室/玄関に少しだけバケツを移動させました
4.バケツを逆さにして、氷を出します!
※この時、中の冷たい水も出てくるので注意(長靴おすすめ)
5.ろうそく灯して完成!
大変だったのは、バケツに水を入れた後、こぼさずに外まで持っていくことくらいで、後は超簡単、出来栄え抜群でとても楽しかったです。
私ではなく、公式のつくりかたが知りたいよっていう町民の方には、下の表紙の小冊子をコモレビなど、町内各所で無料配布しておりますので、ご活用くださいませ!
その他詳細はしもかわ観光協会のtwitterをご覧ください。リアルタイムでの情報盛りだくさんです!
さあ、楽しい冬を満喫しますよ!