空き家のリノベーションで地域に活気を~森の寺子屋メンバーインタビュー| 山口駿人さん~
2020年、約半年間、進めてきた月1勉強会「森の寺子屋」。
毎期の最終回では、全6回を終えたら、町内の方や町外の協力者をお招きして、寺子屋メンバーがどんなことに挑戦し、どういう協力を必要としているのかを発表する場を設けてきました。
しかし、コロナ禍で人が集まる催しを実施するのはむずかしいのが現状。そこで、寺子屋3期目のメンバーが、半年どんなことにチャレンジし、今後どんな動きを進める予定なのかを、一人ずつ取材して、ご紹介します。
この記事では、2018年に地域おこし協力隊として下川町へ移住し、主にDIYアドバイザーとして木工や場づくりのDIY企画運営を行っている山口駿人さんをご紹介します。
森の寺子屋チャレンジ ~家屋のリノベーションに挑戦~
今回私が「森の寺子屋」で挑戦したことは家屋のリノベーションです。
第1期から3期の今回まで継続的に「森の寺子屋」に参加して、DIYの活動にチャレンジしてきました。
(写真2枚:DIY作業を行う山口さん)
今までは机や椅子のような「物」を中心にDIYをやってきたのですが、第3期になる今回は空き家のリノベーションに挑戦しようと思ったんです。今の世の中ではホームセンターで手軽に安価で木製品を手に入れることができます。
既製品と、DIYで作る物とを差別化するにはどうしていけばいいか考えました。
そして空間を作ることが他には代えることのできない価値を生み出すのではないのかという考えに行きつき、今回は思い切って方向性をシフトしてみました。
モーニングカフェ臨時開店!
「森の寺子屋」2020では、リノベーションしたお店で「モーニングカフェ」を臨時開店しました。
10月28日から11月1日までの期間中、サンドイッチや日替わりスープ、「森の寺子屋」2020で一緒に参加している塚本さんの薬膳茶も提供していました。
(色鮮やかな心と身体があたたまるモーニングセット)
以前から親交のあった方がボードゲームの販売店を営んでいて、このお店を「好きに使ってもいいよ」と言われてたこともあり、リノベーションさせてもらいました。とはいえ、DIYで空間を作って終わり、は嫌でした。
ただきれいにするだけでなく、場として何かに活用されたときに空間に価値が出るのではないかと思っています。そこで、思い切ってモーニングカフェをおこなってみました。
「なぜモーニングカフェをやったの?」と思うかもしれません。ふと町を見てみると、朝の時間をゆったりと過ごせる場所がないなと感じていたんです。 朝という大切な時間を有意義に過ごせる場所があればいいなと思っていました。それがきっかけで、モーニングカフェをやってみようと思ったんです。
考えぬいた創意工夫
モーニングカフェをおこなう上で、いろんな工夫を凝らしました。活用するからには、しっかり運営したくて。
まず雰囲気づくりです。
この空間を外から見たお客さんが「入りたいな」と思うような雰囲気にすることに力をいれました。装飾では壁紙はカウンターにはレンガ調の壁紙を使ったり、照明にはペンダント照明を使って、おしゃれで明るくなるよう工夫しました。小物も趣のあるおしゃれなものを置いているんです。
(木の温もりを感じるおしゃれで小ぶりなテーブルが並ぶ)
(ひとつひとつに趣を感じる小物)
外から見て、何をやっているのかわからない空間には、お客さんは入りづらいと思います。なので、外から見てもカフェがだとしっかりわかるように開放感のあるつくりにしました。
それと、下川町のような小さな町だとお互いが顔見知りということもよくあって、客席が外から見えてしまうとお客さんが落ち着かないだろうと思いました。開放感は残しつつ、客席はしきりをつくって外からは見えづらくしています。
(チェンソーアートがお出迎えする、モーニングカフェの外観)
次に、宣伝方法の工夫についてです。
まずは、チラシづくり。”モーニングカフェを行う”ということが一目でわかるチラシにしています。実はこのモーニングカフェは「MANE(マーネ)」という店名があるんですが「MANEオープンします」というように店名を大々的に宣伝する方法は、とりませんでした。
カフェ名を出したいというのはあくまで店側の都合であって、お客さんが興味を持つうえで店名はあまり関係ないと思ったんです。
大切なのは“いつ、どこで、何をする場所なのか”ということをお知らせすることだと思っています。
(モーニングカフェのチラシ)
次に、配布方法です。このチラシはWEBに頼らず直接手渡しで各所に訪問して宣伝していました。SNSで繋がっていない人、普段から交流がある人以外にもたくさんの人に知ってもらいたかったからです。
こういった店づくりや広報の工夫のかいがあって、5日間で240食を売り上げるほど、たくさんのお客さんに来店してもらいました。下川町だけではなく近隣地域からも来店いただいたほどなんです。
今後について
モーニングカフェのような、空間を活かす活動や、ものづくりのDIYの活動は、今後も続けていこうと思っています。
まだ具体的に何をするかは未定なのですが・・・。
たくさんの人に、DIYが浸透していってほしいです。
町民のみなさんがDIYに親しめるような場も作れればいいなと思っています。
(文:佐藤 将平)