改めて考えるSDGs目標16:平和と公正をすべての人に
当たり前じゃない。今こそしもかわでも平和について考えよう!
こんにちは、下川町の清水と、しもかわSDGsアンバサダーの和田です。
雪もだいぶ溶け、ギョウジャニンニク、ヤチブキなど、北海道らしい山菜が春を連れてきてくれました。平和な春です。
今回は、緊急企画として時事問題の「ロシアによるウクライナ侵攻」から、SDGs目標16:平和と公正をすべての人にをみていきましょう!
※この記事は下川町の広報5月号「ありたい姿探検記」の記事の充実版です
世界で何が起こっているのか?
2月末から毎日のようにニュースになっているロシアによるウクライナ侵攻。現実離れした映像を目の当たりにした時には言葉を失いました。
戦闘は長期化しており短期戦で終わると思いきや、まだ戦いは続いており、ウクライナではたくさんの民間人が犠牲となっています。残念ながら、犠牲者には子どもが含まれています。
ウクライナと下川町は約7,000km離れています。広大なロシアを挟んでおり、はるか遠い国のように思いますよね。
しかし、今回のウクライナへの侵攻が私たちの生活に影響を与えているのです。
気が付いたこと
日本への輸入の影響をみてみましょう。
ロシアとウクライナから日本へはなんと1兆6,000億円分が輸入されています。
例えば、私たちの冬の生活や移動にとって不可欠である灯油やガソリンですが、ロシアから輸入するうちの6割(9,000億円超)を原油・天然ガス・石炭が占めています。
現在起こっている化石燃料価格の上昇は、電気代などエネルギー関連価格を押し上げ、私たちの生活に影響を与えていますよね。
貿易が制限されることで価格が上昇するほか、禁輸された品目を用いた企業の生産活動にも影響が生じます。巡り巡って景気悪化にもつながるおそれがあるでしょう。
下の図表の見方:
2021年におけるロシア・ウクライナとの貿易額を品目別に整理したものです。品目名の横の( )内の数値は、各品目の貿易総額に占める割合です。
大和総研の表を見ると、木材や金属類の資材も日本はロシアに依存していることがわかります。
ちなみに、ウクライナは、たばこが主要輸出品目で、日本が輸入した葉巻たばこのうち約2割がウクライナ産です。なんとウクライナからの輸入額の半分以上をたばこ類が占めています。
過去を振り返れば、第4次中東戦争をきっかけとした第1次オイルショックで日本経済は大きな打撃を受けました。
加えて、トイレットペーパーなど原油価格との関係が薄い品物の買い占め騒動で日常生活にも影響が及びました。
このように、日本から離れた地域が私たちの日常生活に影響を与える例は多々あります。こう考えると、改めて世界平和が私たちの生活を支えていたことに気づかされますね。
レジリエントなまちづくり
そして、外部のリスクに影響を受けにくい、しなやかに強いまちづくりをしていくことの重要さにも気づかされました。
生活のための物資・サービスを地域内で循環させ、外部への依存度を減らすことで、戦争・災害等の非常事態にも対応できます。
例えば、しもかわにおいては森林バイオマスや太陽光など、地域内で再生可能エネルギーの利用比率を高めることで、非常事態があっても灯油代・電気代が大きく上昇し家計の負担が大きくなることは避けられるでしょう。
そのような地域を目指すために、実は2019年からしもかわは既に動き出しています。
2030年における下川町のありたい姿の目標3「人も資源もお金も循環・持続するまち」と目標6「世界から目標とされるまち(脱炭素社会SDGsへ寄与)」を実現していくために、再生可能エネルギーの導入促進に向けたロードマップ(将来ビジョン)を策定しています。
平和と公正をすべての人に
さて、平和をもう一度SDGsの視点で見直してみましょう。
SDGsが含まれている、国連総会で採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」には、SDGsの実施の上で重要な5本の柱を提示しています。
この5本は、下の英語の頭文字をとって「5つのP」と呼ばれています。
人間(People)
地球(Planet)
繁栄(Prosperity)
平和(Peace)
パートナーシップ(Partnership)
その中でも、平和(Peace)では以下のように書かれており、SDGsの達成のためには平和の実現が不可欠であることがわかります。
わたしたちにできること
今回のロシアによるウクライナ侵攻など、海外の紛争について日本に住む私たちが直接出来ることは多くはありません。
その中でも今回は寄付や、ウクライナ避難民の受け入れなど、小さなことからでもウクライナの支援をしたいという動きが国内で見られています。
特に人手不足が課題であるしもかわにとって、ウクライナ避難民の受け入れが1つの解決策かもしれません。
ほかにも、平和のためのアクションとして平和の大切さを学ぶこと、具体的には戦争経験世代の話を聞き、記録・記憶していくことが挙げられます。
下川町には、日露戦争の時に満州(中国東北)とロシアの国境に住み、身一つで日本へ帰ってきた、壮絶な経験をされている高齢者がいます。
平和学習を今後も大事にし、想いを伝えることが必要ですね。
終わりに
今回、時事ニュースから平和を見つめなおし、戦争など、あらゆる課題は他人事ではなく、全てが繋がっていることがわかりました。
今後も様々な経験、考え方を持っている、あらゆる年代の人と参加型でよりよいしもかわにしていき、平和な社会を実現していきたいですね。
来月からは今年度行われる住民参加型のまちづくりの1つでもある「SDGs推進町民会議」で議論されたことを紹介します。お楽しみに!