SDGs3からみたしもかわ、国、世界~すべての人に健康と福祉を
SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」に焦点を当て、しもかわ、日本、世界をつなげてSDGsの現状をご紹介します。
こんにちは、下川町の清水です。寒くなってきましたね。いよいよ本格的な銀世界です。
これから2ヶ月に一度、町民インタビューのテーマを踏まえて世の中をみていく記事は、しもかわSDGsアンバサダーの和田さんと共にお伝えしていきます。以下、和田さんからのメッセージです!
先月は竹本礼子さんから、取り組みやまちづくりへの想いをお聞きしました。今月は、同じ健康増進をテーマに世の中をみていきましょう。
※この記事は下川町の広報1月号「ありたい姿探検記」の記事の充実版です
コロナ禍をきっかけに健康増進への意識アップ!
竹本さんが目標とするのは、
ということです。コロナ禍は悪い影響を数多く与えた一方で、私たちの健康増進への意識が高まったきっかけだったと思います。
町内でも、飲食店の皆さんの徹底した感染対策や、「すまっこシネマ」主催で菌ちゃん先生の講演会を開いたり、食にまつわる映画の上映を行うなど、健康増進がぐっと身近になったと思います。
なお、コロナ禍以前から「SDGsx健康増進」の事例として有名なのは、神奈川県の「未病」という、健康と病気の間を連続的に変化する状態を改善する取り組みです。
SDGsの視点から健康を考えよう
では、健康について、SDGsの視点からみるとどうなのでしょうか?そのために、まずはSDGs全体の国別達成度ランキングをみてみましょう。
2021年の日本のランキングは18位と、2020年から下がってしまいました。1~3位は例年北欧が独占している状態で、今年はフィンランドが1位に返り咲きました。
国別ランキングを分かりやすい日本語に翻訳した記事はこちら!
本家はこちら!(英語で是非読んでください)
個別のゴールの達成度をみていきましょう。目標3「すべての人に健康と福祉を」の指標は、以下の通りです。
日本の達成状況は課題が残っているという結果となっています。途上国の大きな課題である出生時の死亡率の指標は達成済みで、他国に技術支援をしている一方で、生活習慣に由来する課題は根強く残っています。
特に日本が達成できていない指標は、結核感染者数が高いことです。
そして、北海道の場合、喫煙率にまつわる指標が身近な課題です。全国の喫煙率は18.3%に対して、北海道は22.6%です。タバコは身体に影響を与えるため、たしなみ方が難しい嗜好品ですよね。
タバコはほんの一例ですが、道路交通事故、アルコールの飲みすぎなど、私たちの生活が目標3の指標に案外直結していることがわかりますね。
SDGsxコロナ
コロナ禍に最も関連するSDGsの目標3ですが、SDGsの達成度合いが高いほど社会の「レジリエンスが高い」、悪影響が小さいということがわかりました。
新型コロナウィルスは猛威をふるいましたが、日本は1人当たり病床数世界一を誇り、ワクチン接種率の進展、新しい生活様式の普及などにより、2021年末時点では感染拡大は一服しています。
しかし、医療従事者への風評被害、2020年度の自殺率の上昇で女性が特に深刻だったことなど、あらゆる分野から様々な課題が浮き彫りになりました。
すなわち、単にコロナ渦を「医療問題」と捉えるだけでは、複雑化した影響の一側面しか捉えられないのです。
SDGsを用いて、複合的な視点から課題を見つめることで、社会の安定性を高められるということが言われています。
また、災害などのショックの際だけではなく、普段から複合的な視野で物事を判断することで、「もしも」の時の対応力を底上げすることができるでしょう。
SDGs目標3:すべての人に健康と福祉を の中身はこちら!
ウェディングケーキの視点から
ここで、目標3:健康と福祉 と他のSDGsの目標との関わりを考えるために、SDGsの目標を3つの層に分類する「SDGsウェディングケーキ」モデルでみてみましょう。
SDGsウェディングケーキのモデルを提唱したストックホルム・レジリエンスセンターのディレクター、ヨハン・ロックストローム氏の講演はこちら!
生物圏の視点
目標3の指標では、
というものがあります。私たちが健康に生きられるのは、きれいな水などの豊かな自然環境があるからです。
しかし、SDGsの海の豊かさ、陸の豊かさ、そして気候変動についての目標は日本において達成が遅れています。
私たちの健康増進のためにも、脱炭素社会の実現や、海洋プラスチックゴミへの対策など、生物圏の持続可能性の確立が重要であり、急がれます。
社会圏の視点
健康の目標(目標3)は社会圏に位置しています。2020年の春は、コロナの影響で学校が休校になりましたよね。
子どもの学ぶ機会がなくなった(目標4)だけでなく、働き方が変わったご家庭も多かったと思います(目標8)。
お昼休みに急いで帰宅してご飯をつくって食べさせてたら自分がお昼を食べ損ねたという声が飛び交う中、小さなお子さんの場合、面倒を見るために仕事をセーブし、収入が減少したという声も聞きました(目標1)。
この例をとっても、1つの課題が連鎖的につながっていることがわかります。社会圏の目標がひとつでも欠けてしまったら、社会は成り立たなくなるのです。
また、教育(目標4)、エネルギー(目標7)、平和(目標16)など様々な課題がありますが、ジェンダー平等(目標5)が日本において最も難題といえるでしょう。
日本は、6歳未満の子どもを持つ夫婦の家事・育児関連の時間がお母さんが約7時間半に対して、お父さんは1時間半に満たないという、他国と比較してもお母さんの負担が大きい結果となっています。
また、世界全体でも、コロナ禍による休校中、家にいる子どものケアをお母さんが担当した家庭がお父さんが担当した家庭の3倍あったというOECDの調査がありました。
経済圏の視点
ケーキの一番上は今までの生物圏、社会圏の土台ありきの、私たちが自由に人生を選択できるようになるための経済をつくる目標です。
経済(economy)とありますが、一般にイメージされるGDPの成長だけでなく、雇用な企業の社会的責任、格差の是正が含まれます。
仕事、生き方を選択する自由がある、個性を大切にすることを含み、自分らしく生きるために必要になる層です。
動物にとっては生物圏のみが必須ですが、人間は社会圏、さらには経済圏が生きるための必須条件といえるでしょう。
健康面では、身体をつくる食べ物、予防、最先端医療による治療など、数多くの選択肢から自分に合った決定をすることに繋がります。
下川町の場合、薬草庵のお茶やマッサージ、りくらしねっとの道産大豆とうふプロジェクト、竹本さんの健幸サークルなどの普及から、町民みなさんのつくる責任、つかう責任を感じますね。
わたしたちにできること
そしてこれらを達成するための手段として、最上段にパートナーシップがあります。一人ではできないことも皆と一緒だと楽しくできるようになります。
そう、竹本さんのサークルのように!
さて、ここまで目標3(健康と福祉)の「健康」に焦点を当て、世界や日本、下川の動きを簡単にみてきました。
政府か取り組むような大きな話だけではなく、わたしたちにできることもたくさんあります。
そのひとつが、健康な身体づくり!
今後、少子高齢化により年金の額は減っていきます。
「老後どうしよう!?」と不安になりますよね。
そこで、私は考えました。自分にできることは、強い身体づくりをし、元気な高齢者として笑顔で楽しく生きていくことかなと。
なので、直近の目標は、筋肉をつけて貯めること。
皆さんにできることはなんでしょうか?
一緒に考えていきましょう
今回は先月に引き続き、SDGsの健康に焦点を当てて、しもかわ、日本、世界の視点でみてきました。
次回の素敵な町民のゲストはどなたでしょう?お楽しみに!
そして、良いお年を!!!