現状の気候の変化からみるしもかわゼロカーボン推進の未来
今年1発目の記事は未来との向きあい方!気候変動の影響を受けている下川町の今を見つめなおし、未来に向けてゼロカーボンを推進します。
こんにちは、下川町の山本と清水です。新しい1年を迎え、雪ニモマケズがんばっております。
これまでのゼロカーボン通信やありたい姿探検記にて、ゼロカーボン推進町民勉強会や産業界との意見交換会の開催内容について紹介してきました。
年はじめの今回は、町がゼロカーボンを推進するにあたり、現在取り組んでいることや下川町の気候の変化や今後の予測などについて、共同記事としてお届けします。
※この記事は下川町の広報1月号「ありたい姿探検記」の充実版です
地球温暖化対策実行計画(区域施策編)の策定を進めています!
町では昨年3月に「2050年二酸化炭素排出実質ゼロ」を目指す「ゼロカーボンシティしもかわ」宣言を行いました。
この実現のため、下川町の温室効果ガスの排出抑制を推進する総合的な計画づくりを進めています。
この計画は、町民・事業者・行政などの主体が地球温暖化対策を推進するうえで指針となる役割をもち、CO2の削減目標、再生可能エネルギーの導入目標を設定し、その目標達成に向けた取組の方向性を示すものです。
計画の目標年度は2050年、計画期間は2023年から2030年までの8年間とし、2023年度の策定・公表に向けて検討しています。
これまでの勉強会などで町民の皆さんからいただいたご意見やアイディアは、計画の「2050年の目指す将来像」や「取組の方向性」などを検討するための参考とさせていただきます。
【ゼロカーボン勉強会】
今後、計画の素案ができましたら、町民の皆様からご意見などを伺う機会の場を考えていますので、改めてご案内いたします。
ゼロカーボン推進、世界の流れについて
ロス&ダメージ
12月の記事「若者は未来世代・次世代ではなく現役世代~誰ひとり取り残されない下川町の挑戦~」でも触れた、国連の気候変動対策会議「COP27」では、災害や水面上昇など、気候変動の悪影響が既に起きている途上国に対して支援をする「損失と被害(ロス&ダメージ)」が最大の論点となり、損失と被害基金の設立がされました。
北海道は気候変動の悪影響を受けやすい一方で、日本を含む先進国は途上国に対してこれまで悪影響を与えてきた加害者でもあります。
そのため、今後この基金を通じ途上国の気候変動に対する支援を行うこととなります。
ネットゼロを国連が定義
もう1つ、COP27で代表的な取り決めとして、国連によるお墨付きのネットゼロの定義が出されたことです。
国連のグテーレス事務総長が委員を任命した「非国家アクターによるネットゼロ排出宣言に関するハイレベル専門家グループ」による、1.5℃目標の確実な達成のためのネットゼロの報告書が発表されました。
これは世界の地方自治体や企業、団体を対象とする、ネットゼロに誠実さ、透明性、説明責任を持たせるためのものです。
提言書では大きな提言が10ありますが、下川町にも影響が考えられるものを紹介します。
高いレベルの温暖化政策を推進すること
温室効果ガス削減目標を短期・中期・長期で設定すること
化石燃料から再生可能エネルギーへ転換する目標を設定すること
定義づけがあることで、ゼロカーボン達成への道筋も示され、本気でゼロカーボン達成に繋がる取組をしているのかの評価もしやすくなります。
報告書内のネットゼロ10提言を知りたい人はこちら→
報告書を読みたい人はこちら(英語)
次回のCOP28でこれらの基準の運用方法についての議論がなされ、具体性が高まり、行動が見込みやすくなると期待されいます。
しもかわはどうする?
では、しもかわの場合を見てみましょう。
パリ協定では、2020年以降の温室効果ガス削減について、世界共通で平均気温上昇を産業革命以前と比べて2℃より十分低く抑えるという「2℃目標(努力目標1.5℃以内)」が掲げられました。
※現在はCOP26で1.5℃目標(1.5℃にとどめる努力を追求)で世界の国、地域が合意
これを受け、各国はゼロカーボン宣言を行い、取り組んでいます。
しかし、排出ゼロのためには国レベルだけでなく、地方公共団体(自治体)や企業をはじめとする様々な団体・個人が主体となって対策を講じていくことがとても重要です。
ゼロカーボンシティ宣言をしている下川町がどのような状況かを探ってみると、以下の通りなかなか過酷な現状だとわかります。
今まで何度か取り上げてきた「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第 6 次評価報告書」でシミュレーションされた2つのシナリオを見ると、気候変動が他人事ではないことがよくわかりますよね。
最近しもかわでも気候変動のあらゆる影響を日常的に感じられるようになりました。
責任ある森林づくり、バイオマスエネルギー、SDGsなど、多くの取り組みをしてきたしもかわだからこそ、もう一度立ち止まって、今後自分たちの日常を守るために何ができるかを考えていき、実践していきましょう!
付録
「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第 6 次評価報告書」について紹介した記事たち: